介助こそ 細部の気配り 嬉楽(きらく)なり
 会話と笑顔に 生きる力なり



むらさきの上より

室内履きが脱げないように、介助者と話し合いながら試行錯誤している風景。

室内履きのカカトの部分に、足首を通すゴムを付ける際に、
ゴムの縁が足首にくいこまないように工夫したりする会話があった。

こちらが言ったとおりにするだけでなく、こちらが見えない部分まで気を配り、
提案し、一緒に考える。

その姿勢が嬉しくもあり、楽しかった。
介助こそ、このような気配りが大事であり、大切にしてほしい。

スタッフより


彼女は最近、機能低下が進み、壁に寄りかかって立つ事も厳しい状態です。
その為、少しでも安定する室内履きを買いました。
その室内履きに脱げない工夫をしました。

私たち介助者は、彼女の動かない手や足の変わりに動きます。
「1人+1人=1人」、それ以上でもそれ以下でもありません。

視力が弱かったり、体調によっては手足の感覚が鈍かったりする彼女の場合、
体から受け取る情報が極端に少ないです。
ですから、「指示があって→動く」の基本姿勢にプラスして、傷が出来ている、跡がついている、等の「情報提供」が必要です。

「今まで出来ていた事」ができなくなる。
この事実に戸惑い、受け入れたくないと感じることは、誰でも当たり前のことです。
しかし、障がいを持ち、他人の手足を自分の手足として生活している彼女にとって、
「今まで出来ていた事」の大切さは、私たちの想像している以上のものでしょう。
そんな状況だからこそ、彼女はこの風景が嬉しかったのかもしれません。


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